表現ラボ

【必見!】「外郎売」完全マスター

 

「外郎売」とは
享保3年(1718年)正月、江戸森田座の『若緑勢曾我』で二代目市川團十郎によって初演された歌舞伎十八番の一つである。
出典:Wikipedia

役者や声優などの養成所、アナウンサーの研修などで、発声練習や滑舌の練習に使われています。

「外郎売」には、お芝居の基本が詰まっている!

多くの方が、早口言葉や滑舌の練習だけに使いがちなのですが、
実は、演技をする時に大切な要素が詰まっています。

早く噛まずに言うことだけではなく、
自分が外郎を売る役になり、内容を理解して表現し、演じましょう。

「外郎売」は覚えよう!

全文(参照:Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E9%83%8E%E5%A3%B2
(古い作品なので、読み方や漢字が違ったり、諸説あります)

外郎売を覚えておくと、ウォーミングアップをしたいときに、何か台本や教材を取り出す必要もありません!

毎朝チェックすることにより、その日の発声や滑舌、心の開き具合など、自分のコンディションを確認することができます。

朝準備をしながら、通勤通学で歩きながら、家事をしながら、など何かをしながらでもよいので、日々の習慣にしましょう!

「外郎売」を演じるポイント!

以下の、意味<ポイント>を意識して、練習してみてください。

冒頭「拙者親方と〜名乗っています」まで

本文: 拙者親方と申すは、
意味: 私の親方と申しますのは、

<ポイント>
言葉は、意味を間違えたり、意識せずに言うと、間違って伝わります。

拙者親方 とは、
○  拙者の親方「私 の 親方」
✖️ 拙者は親方「私 は 親方」:これでは、自分が親方だと名乗っています。

どちらの意味で言うかによって、「拙者」の音が変わります。

正しく言う為には、まず自分の恩師や先生をイメージしながら「私の先生は」と言ってみましょう。
それができたら、「私の先生は」を「拙者の親方は」に変えて言ってみます。
後は、そのままの感覚で、「拙者親方と申すは」を言うと、最初と音が違っているはずです。

 

本文: 御立会の内に御存知の御方も御座りましょうが、
意味: お集まりの中にご存知の方もいらっしゃると思いますが、

<ポイント>
今自分の前に、どれくらいの人が集まっているのか、具体的にイメージします。最初は身振り手振りを大きくすると表現がしやすくなります。

また、「知っていたらごめんなさい」という気持ちをしっかり表現しましょう。相手はお客様です。間違っても相手より上にならないように!

 

本文: 御江戸を発って二十里上方、
意味: 江戸を出発して二十里ほど西に行き、

<ポイント>
・自分の場所から、江戸や小田原はどこにあるのか
・二十里はどれぐらいの距離があるのか
この2点をしっかりイメージします。

慣れるまでは、江戸を新宿に置き換えて言ってみましょう。
「新宿からロマンスカーに乗って1時間20分ほどすると、小田原駅に着く」と言ってみましょう。「新宿」と「小田原」それぞれを言う時に、見ている場所が違うのがわかると思います。慣れるまでは、「お江戸」と言う時に「新宿」を思い描くとイメージしやすくなり、言葉にどれくらい距離が離れているのかのりやすくなります。

二十里は80キロほどの距離で、一日に10時間ほどかけて十里歩くと、江戸から小田原は丸々二日かかるそうです。

ロマンスカーに乗って行くイメージで距離感が出るようになったら、実際にその距離を歩くとどれほど大変なのか想像して読んでみましょう。

 

本文: 相州小田原一色町を御過ぎなされて、青物町を上りへ御出でなさるれば、
意味: 相州(神奈川県)の小田原にある一色町を過ぎて、青物町を西に行きますと、

<ポイント>
相州・小田原・一色町を、それぞれ別の町のように読まないよう注意しましょう。

 

本文: 欄干橋虎屋藤右衛門、
意味: 欄干橋にある虎屋の藤右衛門という者が、

<ポイント>
欄干橋:橋の名前
虎屋:屋号
藤右衛門:人物の名前

 

本文: 只今は剃髪致して圓斎と名乗りまする。
意味: 今は隠居され髪を剃って円齋と名乗っております。

<ポイント>
あくまで言いたいのは「欄干橋虎屋藤右衛門」であり、「圓斎」は補足情報なので、「欄干橋虎屋藤右衛門」より「圓斎」を強調しないようにしましょう。

 

「元朝より〜透頂香と申す」まで

本文: 元朝より大晦日まで御手に入れまする此の薬は、
意味: 元旦から大晦日まで一年中手に入るこの薬は、

<ポイント>
一年中の期間の幅広さを、しっかり意識しましょう。
「この薬」のところで、お客さんに薬を見せます。

 

本文: 昔、珍の国の唐人外郎と云う人、我が朝へ来たり、
意味: 昔、外国から、外郎と名乗る人が我が国の都に来て、

<ポイント>
「珍の国」=尊く珍しい国
「唐人」=外国人(ここでは中国の人)
「外郎」=本来は名前ではなく役職のようですが、ここでは名前だと勘違いしていても良いかと思います。
優れた中国という国の人が来たとイメージしましょう。

「我が朝」=「私の国の王様が住むところ」と、「帝」は、現代人の感覚よりもかなり尊いものになります。敬意を持ちましょう。

「来たり、」は「来た。」ではなく、「来て、」と次の文につながります。

 

本文: 帝へ参内の折から此の薬を深く込め置き、
意味: 天皇へ参内したときから この薬を深くしまい込んでおき、

<ポイント>
「深く込め置き、」に、とても大事にしているというニュアンスにしましょう。

 

本文: 用ゆる時は一粒ずつ冠の隙間より取り出だす。
意味: 用いる時は一粒ずつ、冠の隙間から取り出します。

<ポイント>
とても貴重なものなので「一粒ずつ」大事にしている感覚を持ちましょう。

主語は誰?
「帝へ参内の折から此の薬を深く込め置き、用ゆる時は一粒ずつ冠の隙間より取り出だす。」
この部分の主語は誰なのか、これは諸説ありです。主語を誰にするかで、意味合いが変わるため、やる時は主語が誰なのかを意識してやりましょう。

【外郎の場合】
外郎は、天皇へ参内する時からこの薬を大事に持っていて、使用するときは、一粒ずつ帽子の隙間から取り出した。
【帝の場合】
天皇は、外郎がこの薬を献上した時から大事にしまっておき、使用するときは、一粒ずつ冠の隙間から取り出した。

 

本文: 依ってその名を帝より「透頂香」と賜る。
意味: そこでその薬の名前を天皇より、「
透頂香」と賜りました。

<ポイント>
天皇に名前をつけていただいた、由緒正しい薬である!と自慢します。

 

本文: 即ち文字には頂き・透く・香と書いて透頂香と申す。
意味: つまり文字に表すと、頂き・透く・香ひと書いて
透頂香と申します。

 

おまけ
なぜ薬を、袖ではなく冠にしまっているのか?
当時は常に冠を被っていて頭が臭くなるため、このスーッとした香りのする薬を冠に入れていた。そこで、冠(頂)から良い香り(香)が漂ってくる(透)という意味の名を、この薬につけたのではないかという説があるそうです。

 

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